イタリアンはフランス料理の原型
南北に細長く伸び、海に囲まれたイタリアは、古くから食事を大切にする民族だったと言われています。
世界三大料理として有名なのはフランス料理ですが、実はその原型になっているのは、フィレンツェの名門貴族によってフランスに持ち込まれたイタリアの調理法や食器類でした。
洗練されたテーブルマナーもこの時にフランスへ伝わったとされています。
また、現在最もよく使われている4本爪のフォークは、パスタが食べやすいように考案されたと言われているほどで、食事におけるイタリア人のこだわりの強さが垣間見えるようです。
郷土色が強いイタリア料理
日本でイタリアンと言えば、パスタやピザを連想する場合がほとんどですが、実は非常に郷土色が強いのが特徴で、北部、中部、南部とでそれぞれ個性的なスタイルの料理が作られています。
酪農が盛んな北部では生クリームやバター、チーズなどを多用した料理が多く、ホワイトソースとミートソースを重ねるラザニアは北部で生まれた料理のひとつです。
イタリア料理の定番と言えばトマトやオリーブオイルをたっぷり使ったメニューですが、それらの多くは南部から発祥しています。
本場のトマトソースを食べたいならば、南イタリアで味わうのが正解でしょう。
そして、ローマやフィレンツェを抱え、イタリア中の文化が結集する中部地方の料理は、北部と南部の料理が合わさり、さらに都会的な進化を遂げています。
大きなTボーンステーキや、ウサギ、イノシシなどを使った素朴で野趣に富んだメニューも好まれ、パスタもコシのあるタイプが多いようです。
日本でも人気の高いボロネーゼも、イタリア中部に位置するボローニャ地方から生まれました。
コースで頂く場合は
イタリアンはカジュアルなイメージですが、コースで頂く場合もあります。
まず前菜を意味するアンティパストとして、燻製やカルパッチョなどが供され、次にプリモ・ピアットと呼ばれる一皿目が出てきます。
一皿目と数えられますが、サラダやスープ、パスタなど数種類の料理が出てくる場合もあり、ここでお腹をいっぱいにしてはいけません。
メインはセコンド・ピアットと呼ばれる肉や魚を使った料理です。
肉と魚のどちらか、あるいは両方が出てくる場合もあります。
最後のお楽しみはドルチェ、デザートです。
旬の果物やティラミス、パンナコッタ、ジェラートなどが出てくるでしょう。
果物の場合は、自分でテーブルナイフなどを用いて皮を剥いて頂くのがイタリア流です。
難しく考える必要はありませんが、最低限のマナーは知った上で、落ち着いて美味しく頂きましょう。