地域の特徴と郷土料理の関係性
イタリアはよく長靴の形をしているなどと言われ、日本と同様に海に囲まれた南北に細長い形をしています。
日本で北海道と沖縄では獲れる食材も食文化も異なるように、イタリアでも海に面して温暖な気候の南部と山間部にありフランスと接する北部では獲れる食材や食文化も異なっています。
イタリア南部はオリーブやオレンジなどの果実類の栽培が盛んで、海に面して魚介類を使った郷土料理が多いのに対して、イタリア北部では小麦や米の栽培、酪農などが盛んでオリーブオイルよりバターを使った料理が多く、隣り合うフランスの食文化や調理法などの影響も受けているのが特徴的です。
フランスに接するお土地柄
イタリア北部の料理は日本人がイメージする、パスタやピザなどのイタリア料理のイメージとは異なり、むしろ隣接するフランスの料理に近いかもしれません。
とはいえ、イタリアの中では南部のナポリ風に対する、北部のミラノ風料理として、ミラノを中心とする郷土料理が親しまれています。
アルプス山麓に面するお土地柄から、酪農が盛んでチーズはもちろんですが、バターがよく使われます。
イタリアンというとオリーブオイルをたっぷりと使うイメージですが、オリーブオイルよりはバターが好まれるお土地柄です。
小麦が獲れるのでパスタ料理も食されますが、細いスパゲティよりは、ラザニアのように平たいパスタやアニョロッティなどの詰めものをしたパスタが好まれています。
また、ポー川の流域は欧州でも随一といわれる水田が広がる米の産地でもあります。
そのため、リゾットなどのお米を使った料理も伝統的な北部料理として根付いています。
ミラノ料理のお店へGO
日本でイタリア北部の料理を味わいたいなら、ミラノ風レストランとか、ミラノ料理専門店といったお店をチョイスしましょう。
ミラノ料理の代表格でもある料理を幾つかご紹介しておきます。
仔牛の骨付きすね肉を煮込んだオッソブーコと、バターとサフラン、オニオンで味をつけた黄色い見た目のリゾットミラネーゼは、セットで供されることも多い定番メニューです。
また、日本ではミラノ風カツレツとして知られるコトレットアラミラネーゼは仔牛の肉に細かく砕いたパン粉をまぶし、バターとオリーブオイルで揚げ焼きした料理で、日本のトンカツのようにソースではなく、レモンを搾って、軽く塩、胡椒でいただきます。
トリッパは牛の胃袋をひよこ豆や野菜などと一緒にトマトソースで煮込んだもので、ホルモン好きな方におすすめのお酒にも合うメニューです。